吉原遊廓跡にある本屋を目指す
遊廓、赤線関連本を専門に扱う本屋さんがあると聞き、さっそく調べてみると
以前から気になっていた吉原遊郭跡地にあるというので、その日のうちに行ってみました。
店名は「カストリ書房」
「カストリ」とは?
第二次世界大戦終戦直後の日本で出回った、粗悪な密造焼酎の俗称。酒粕を原料に蒸留して製造する「粕取り焼酎」が語源...
同時代に、統制外の粗悪紙を用いて濫造された、低俗な内容の雑誌に対する俗称。
1.娯楽雑誌の多くが粗悪で、たいてい3号で休廃刊(=3号雑誌)したことから、「3合飲むとつぶれる」といわれたカストリ酒(粗悪な酒)にかけた名称である。
2.仙花紙(屑紙を漉き返した質の悪い紙)で作られていたことから「紙のカスをとって作られた→カス・トリ」雑誌。(ウィキペディアより抜粋)
戦後すぐの状況を窺い知ることのできる言葉ですね。
吉原遊郭跡は、台東区千束にあり、周辺の最寄り駅からはどこも少し遠い位置にあります。比較的距離の近い東京メトロ 三ノ輪駅から歩くことにしました。
三ノ輪駅から少し歩くと、大通りの反対側に「下町人間庶民文化館」なる文字を発見。。のっけからディープだなぁと思いつつも遠目で見ながら通りすぎます。
日の出湯
立派な破風造りの建物は、昭和初期のものだそうですが、中はリフォームして新しいようです。通るだけでお湯のにおいがします。いいなぁ町の銭湯♪
だいぶ吉原に近づいてきました。
木造モルタルの味のある建物が増えてきたような。。
老舗の店構えの多い交差点に到着。
ここが、かの有名な吉原大門跡。
見返り柳の碑が建っています。
「遊び帰りの客が、後ろ髪を引かれる思いを抱きつつ、この柳のあたりで遊郭を振り返ったということから、「見返り柳」の名があり、...」
吉原というと、どうしても名取裕子主演の「吉原炎上」を思い出してしまいます(笑)
さて、この交差点から千束側(反対側は日本堤)にゆるやかなカーブの道を行くと、そこはかつて吉原だった場所。
床屋もあるけど。
このエリアには、今でもソープが建ち並び、女性を紹介する情報喫茶もギラついています。夜の遊里というものは、土に沁み込み根をはるものなのかな、と思ってしまいました。
道のカーブの途中に交番があり、寒い中お巡りさんは外に立っています。
その向かい側の路地を入ってすぐのところに「カストリ書房」はありました。
店内に入ると、中央に平置きされた『全国遊廓案内』完全復刻版や『赤線全集』『ヤミ市跡を歩く』など気になるタイトルの本が並んでいます。静かに興奮。
いくつかの本は、ポケットサイズの豆本になっていて花街めぐりに最適だと思いました。
あまり広くない店内ですが、大正~昭和の遊廓、女性街、花街、赤線、青線、闇市、当時の性風俗についての本ばかりなので、本当に興味のある人だけが足を運ぶ、非常にマニアックな空間でした。(ひやかしで入ったらきっと居場所に困るでしょうね)
遊廓の決まり事や遊び方、カフェー建築などに興味があるので、とても面白かった。
トークイベントなども主催しているようなので、会場が遊廓跡のときが狙い目かな、と思ってます*
昭和5年に発行された『全国遊廓案内』完全復刻!(カストリ出版)
『赤線跡を歩く』(ちくま文庫)でお馴染みの木村 聡氏による 気になる本。
今回は、急に思い立ったので、すっかり夕方になってしまいました。
吉原周辺をもっと探索したいので、次回は早めに出発しようと思います。
↓「カストリ書房」はこのへん
おまけ
吉原から浅草方面に行く途中のご飯屋さんメニュー。
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