下町で昭和初期を追う(1)
今回は、東京の下町で昭和初期の名残を見つけてみようと思います。
東京の下町と言えば、東京メトロ「門前仲町駅」周辺でしょう!と思い、大きな骨董市で賑わう富岡八幡宮付近や、深川めしで有名な深川周辺を散策して来ました。
深川にある「深川江戸資料館」の実物大に再現された江戸の町並みには、水路を利用した生活風景を見ることができます。そんな時代から明治以降に産業が発展し、近代化が進んだ昭和の歴史が、いったいどれだけ残っているのでしょうか。
門前仲町駅隅田川の方向に約10分ほど歩くと、江東区佐賀一丁目にたどり着きます。
ここまで来ると、駅前の活気ある雰囲気から一変してとても静か。観光客も皆無!
新しい建物と古い木造、古いコンクリート建築が混在しています。
戦前を匂わせる木造建築を発見!
下宿か長屋のような造りです。
玄関前に続く細い路地、弱々しい外灯、井戸ポンプ、防火用水、泣きたくなるような懐かしい風景です。
防火用水は、いまや物を置くところになっています。ある意味便利。
大量の猫よけペットボトルが並んでいます(笑)
きっと水は井戸ポンプでくみ上げたんでしょう!
さて、佐賀一丁目には、空襲を逃れ残った貴重な近代建築があることをネットで見て知っていたので、そこだけは予め住所を調べておきました。
そして、念願のご対面*
「佐賀町スタジオ」旧村林ビル(旧村林商店)
設計:関根要太郎
竣工:昭和3年(1928年)
所在地:東京都江東区佐賀1-8-7
このビルは、撮影用のスタジオとして運営されているようで、松本潤 主演ドラマ「バンビ~ノ」のロケ地としても知られています。
扉の装飾も異国情緒な雰囲気で素敵です。
外壁や装飾に数種類の煉瓦が使われているようで、とても凝った建物だということは一目瞭然ですね。
アール窓、丸窓のついたビル側面。
様々な災難を生きながらえた堅牢なビルは、周囲に建つ背の高いビルよりも存在感の大きな格好いい姿です。
↓江東区佐賀一丁目はこのあたり
(つづく)